研究課題
若手研究(B)
血液腫瘍疾患で抗がん薬治療を受けた5~15 歳の長期入院中のがん患児を対象に、糞便中の毒素検出、C. difficile 分離培養、分離菌株における毒素産生パターンの同定、Polymerase chain reaction ribotyping による解析、療養環境におけるC. difficile 分布と伝播経路に関する調査をした。15 名中 13 名からC. difficile が分離され、そのうち2名がC. difficile 感染症と診断された。PCR ribotyping 解析結果から、10 名の患者間で4タイプの菌株が認められ、水平伝播の可能性が示唆された。長期入院がん患児の入院する小児病棟において、療養環境の C. difficile による汚染状態を調査した。のべ 502 ヶ所を調べ、39 ヶ所から 39 株、18 タイプの C. difficile が分離された。血液腫瘍疾患で初めて抗腫瘍薬治療を受けた5~15 歳の患児15 名中 13 名から分離した 19 株と療養環境から分離した 39 株、計 58 株を PCR ribotyping により、比較した結果、2名の患児の糞便からの分離菌株と療養環境からの分離菌株が一致した。療養環境から患児、患児から療養環境へとC. difficile が伝播し、がん患児においても医療関連感染を起こす可能性が示唆された。
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化学療法の領域
巻: 27 ページ: 2762-2770