本研究では、つわり/妊娠悪阻症状軽減に効果があると示唆されているNei-Guan point(P6:門内関)の指圧について、自律神経状態から検討する。また、つわり/妊娠悪阻と関連性のある精神学的要因として妊婦の不安をあわせて検討する。これにより、つわり/妊娠悪阻症状に対するP6の指圧効果について、生理学的および心理学的観点からの検証を加えることによって、つわり/妊娠悪阻への理解と看護に寄与することを目的としている。方法として、(1)妊婦にP6指圧を行い、指圧前・中・後の自律神経活動を測定する調査、(2)P6指圧群と対照群のつわり/妊娠悪阻症状および不安状態を比較する調査を実施する。 平成21年度の実施内容として、1)自律神経活動測定に関する文献検討、2)研究協力病院との打ち合わせを主に実施した。1)に関しては、当初の研究計画では妊娠週数の経過による影響が大きく、P6指圧による自律神経活動の変化を効果的に測定することができないことが懸念された。そこで、介入研究における自律神経活動測定についての文献検討を行い、研究計画の修正を行った。2)に関しては、当初予定していた研究協力病院において協議した結果、自律神経活動を測定する場所の確保が困難であることから、新たな研究協力病院を開拓した。今後、倫理委員会の承認を得て、データ収集を開始する予定である。
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