つわり/妊娠悪阻は、妊婦のQOLの低下および栄養代謝障害を惹起するのみでなく、胎児の発育および発達にも悪影響をを及ぼす可能性が示唆されている。本研究では、つわり/妊娠悪阻症状軽減に効果があると示唆されているNei-Guan point(P6:門内関)の指圧について、自律神経状態から検討する。また、つわり/妊娠悪阻と関連性のある精神学的要因として妊婦の不安をあわせて検討する。これにより、つわり/奸娠悪阻症状に対するP6の指圧効果について、生理学的および心理学的観点からの検証を加えることによって、つわり/妊娠悪阻への理解と看護に寄与することを目的としている。方法として、(1)妊婦にP6指圧を行い、指序前・中・後の自律神経活動を測定する調査、(2)P6指圧群と対照群のつわり/妊娠悪阻症状および不安状態を比較する調査を実施する。 平成22年度の実施内容として、指圧を安全に実施するための指圧方法を検討した。また、研究機関および研究実施病院(2施設)の研究倫理審査委員会の承認を得て、データ収集を開始した。2施設の研究実施病院のうち、1施設では研究(1)および研究(2)の指圧群を、もう1施設では研究(2)の指圧群および対照群のデータ取集を実施している。本年度は、研究(1)および研究(2)P6指圧群のデータ収集を行った。現在、研究(1)は10例、研究(2)の指圧群は30例の対象者が研究に参加している。今後、引き続きデータ収集を実施し、研究をまとめる。
|