つわり/妊娠悪阻は、妊婦のQOLの低下および栄養代謝障害を引き起こすのみならず、胎児の発育にも悪影響をを及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、つわり/妊娠悪阻症状の軽減に効果があると示唆されるNei-Guan point(P6:門内関)の指圧について、自律神経活動から検討する。また、つわり/妊娠悪阻と関連性のある精神学的要因として妊婦の不安をあわせて検討する。これにより、つわり/妊娠悪阻症状に対するP6の指圧効果について、生理学的および心理学的観点からの検証を加えることによって、つわり/妊娠悪阻への理解と看護に寄与することを目的としている。方法として、(1)妊婦にP6指圧を行い、指圧前・中・後の自律神経活動を測定する調査、(2)P6指圧群と対照群のつわり/妊娠悪阻症状および不安状態を比較する調査を実施する。 平成23年度の実施内容として、平成22年度に引き続いて2施設の研究実施病院にてデータ収集を実施した。2施設の研究実施病院のうち、1施設では研究(1)および研究(2)の指圧群を、もう1施設では研究(2)の対照群のデータ収集をし、12月にてデータ収集を終了した。研究に参加した対象者のうち、合併症(妊娠偶発合併症を含む)を有している妊婦など除外基準に該当する対象者を除き、研究に最後まで参加した妊婦を対象として、現在、データを詳細に検討している。今後、結果をまとめ、学会等で報告していく予定である。
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