本研究の目的は、切迫早産で入院することで伴う妊婦の生活活動の変化やそれらの変化に対し、看護職がどのように看護ケアを行っているかを明らかにし、切迫早産で入院している妊婦の必要な看護ケア尺度を開発することである。具体的には以下に示すことを3年間で行う予定である。先ず、切迫早産で入院している妊婦にマタニティダイアリーの記述、半構造化インタビューを実施しニードの抽出を行う。次に、切迫早産で入院している妊婦のケアを経験している看護職に、切迫早産で入院している妊婦に対する看護ケアに関する質問紙調査を実施し、看護ケア評価尺度の開発を行う。開発プロセスとしては、(1)概念の明確化、(2)原案を作成、(3)予備調査、(4)尺度項目決定のための分析、(5)本調査、(6)信頼性、妥当性の検討を行う。本年度は、切迫早産で入院している妊婦、病院または自宅で安静を強いられている妊婦の実態に関する国外、国内の諸文献を検索し、その妊婦の背景、困っていること、治療や看護職にしてほしい看護ケアの内容、看護ケアの実態などについて検討している。これは、マタニティダイアリーや半構造化インタビューの質問項目を決定するための検討である。来年度は、マタニティダイアリー、半構造化インタビューを実施し、切迫早産で入院している妊婦のニードを抽出できるよう内容分析を行い、これらの結果をさらに反映できるように研究を進める計画である。
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