本研究の目的は、切迫早産入院妊婦のニーズをふまえたケアを切迫早産妊婦のケアとし、看護職やチームでケアを評価するためのケア測定尺度の開発とその信頼性と妥当性の検討を行うことである。今年度は文献レビューをもとに具体的研究方法やマタニティダイアリーによってニードが抽出できるデータ収集方法や分析方法について検討した。 研究1として、マタニティダイアリーによるケアに対するニード調査である。対象者は切迫早産で入院している妊婦10名程度とし、調査内容としては(1)切迫早産妊婦の状況を判断するためのフェイスシート(2)切迫早産妊婦のマタニティダイアリーの記述を実施する。データ収集として(1)マタニティダイアリーの記述時期は入院して1週間後の妊娠週数26週~32週未満(第8月)、妊娠週数30週以降(第9月)のどちらか又はどちらともの時期に記述を1週間お願いする。(2)マタニティダイアリーの記述内容は面接を行い、コミュニケーションをはかるとともに現状を把握するためにフェイスシートを研究者が記入し、切迫早産入院中に1週間記述してもらう。1冊のノートを手渡し、1日1回を目安に記述をお願いする。データ分析は切迫早産妊婦のケア経験者を含む研究者らでワーキンググループを構成し、記述されたケア内容について継続的に討議を重ね、ケア内容の分類をおこなう。研究2として、研究1をもとに切迫早産妊婦のケア評価尺度の開発のため、アイテム・プールを作成し可能であれば数百の質問項目を集める。項目は既存の研究、研究1から抽出された切迫早産入院妊婦のニード、専門家、関連職種のブレイン・ストーミング。標準看護計画やNICを参考として項目を決定する。その後、専門家・エキスパートによる批評や予備調査の実施により修正し、評価尺度を作成する。その後本調査を実施し、信頼性、妥当性の検討を行うように研究を進める計画である。
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