切迫早産で入院することで伴う妊婦が必要としている看護ケアを明らかにし、看護ケア評価尺度を作成することを目的に研究を行った。まず切迫早産で入院している妊婦の看護ケアの概念を文献レビューによって導き出した。その結果「妊娠継続へのケア」「生活行動に対するケア」「精神・心理的ケア」「社会的ケア」「出産育児行動へのケア」の5つのカテゴリーに分類された。次に①ニードに対するケア評価尺度としてPNAT、PLNS等のニードアセスメント尺度、②以前に実施した入院している切迫早産妊婦に看護職が認識している必要な看護ケア、③ブレインストーミングによってアイテムプールを作成した。さらに、④マタニティダイアリーを切迫早産妊婦に1週間記述してもらい、看護ケアにおけるニードを抽出した。以上から、入院している切迫早産妊婦のニードをふまえたケア評価尺度の項目を作成し、項目の検討を行った。結果、妊娠継続のケアとして、身体面へのケア、苦痛・不快感、疲労・病気への認識、対処行動、予測、生活行動に対するケアとして、清潔、排泄、食事、睡眠、活動、環境、精神・心理的ケアとして、不安、ストレス、抑うつ状態、治療や症状に対する態度、受容、社会的ケアとして入院費、経済的な保障、コミュニケーション、サポートネットワーク、出産育児行動へのケアとして、出産の整理、分娩の聴講、疼痛コントロール、呼吸法、リラクゼーション、単位、母乳栄養、出産後の生活、さらに上記に対する情報提供を項目とした。本研究の成果は、国際学会のInternationalHiroshima Conference on Caring and Peace やWorld Academyof Nursing Science 2ndInternational Nursing Research Conference で発表し、研究の一部を国内の雑誌に投稿中である。
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