小児科病棟に勤務する看護師の父親に対するケアへの認識ケアの実際を明らかにするために、A大学病院小児科病棟に勤務している小児科病棟での勤務経験が5年以上の看護師5名に対してインタビューガイドを作成し、面接調査を実施した。質問内容は、小児がん患児の父親との印象的な場面や意識して行っているケアについて自由に語ってもらった。その結果、11のカテゴリーが抽出された。 小児科病棟に勤務している看護師は、父親へのケアの必要性を認識しながらも、土日や夜遅くにしか面会に来れない父親よりも、実際に関わる時間が長い母親や患児に目が向かい、父親に対してなかなか看護援助が及ばない現状があった。しかし、このような現状の中でも、看護師は医療者間の【言動を統一する】、普段の子どもの生活を伝えていくなどの【情報提供】、信頼関係を築くための【声かけ】、医師と対話するための状況を作るなどの【医師との橋渡し】、患児の病気の説明の際に面会時間の遅い【父親の都合に合わせる】、父親の話を聞くなどの【気持ちを表出させる】、なんでも話やすい雰囲気を作るなどの【話やすい雰囲気づくり】、患児に付き添っている父親にご飯の差し入れをしたり父親がお風呂にはいれるようにお風呂の調整をするなどの【病棟生活への配慮】、父親が行ったケアで患児がとても喜んでいたなどの【行ったケアを認める】、頑張っていますねなど【ねぎらう】こと、日々の患児のケアに関わってもらうように【ケアを促す】という関わりを行っていた。
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