本研究は、産業医が常勤ではない事業場に焦点をあて、職場のメンタルヘルス対策の2次予防活動における産業看護職のケースマネジメント・モデルを開発することを目的とする。 産業看護職9名を対象としたインタビュー調査を実施した。インタビューの時間は、1時間~1時間半で、内容はICレコーダーに録音し、逐語録を作成した。調査内容は、産業看護職が、メンタルヘルス不調者を、倦怠感や不眠、意欲の低下などストレス反応の段階で把握し、不調者が症状コントロールや治療と職業生活が両立できることにつながったと感じている1ケースを想起してもらい、①ケースの概要(性別、労働状況、メンタルヘルス不調の内容)、②ケースの把握方法、③ケースマネジメントの過程における支援内容とその支援意図。④産業看護職の属性(性別、年代、職種、勤務形態、雇用先、所属部署、役職、産業看護職としての経験年数、所属事業場の業種・規模)について聴取した。 これらの内容から、ケースマネジメントの3つの構成要素である「従業員、社会資源、産業看護職」それぞれに対して、産業看護職が行った活動を抽出し、ケースマネジメントの基本的過程(利用者の発見、アセスメント、計画、実施、モニタリング、評価・フィードバック)に沿って分類し、職場のメンタルヘルス対策の2次予防活動における産業看護職のケースマネジメントの特徴を示した。
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