本研究の目的は、軽度発達障害児の療育支援体制の充実にむけた活動評価指標を開発することである。 療育支援体制を充実させていくためには、軽度発達障害児とその家族の支援ニーズや社会情勢の変化に伴う影響を踏まえ、絶えず療育支援体制を刷新し発展させていく保健活動が重要であると考える。そのためには、経年的に活動評価を行っていくことが、地域における療育支援体制の充実において重要な基盤になると考えられる。従って、本研究では軽度発達障害児の療育体制の実践事例を詳細に調査し、支援体制の充実にむけ、保健活動の根拠の明確化および保健活動の今後の方向性を導出する活動評価指標を開発することを目指す。本研究は4つの調査により構成され研究期間は3年間である。初年度である今年度は調査1「研究における枠組み」の設定を行った。軽度発達障害児の療育支援体制の充実にむかう活動評価方法に関する、国内外の文献および先行研究の知見を整理し、本研究における枠組みを設定した。さらに、療育支援体制の充実が成果として確認できる保健師の取り組み事例に関する国内外の文献(活動報告含む)を収集し、活動の目的、内容、もたらされた成果、活動における保健師の評価方法(評価内容・評価時期・評価指標)が詳細に記述されている事例を選定し、保健活動の評価に関する基礎資料を得た。
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