本研究の目的は、『団塊世代』と呼ばれる1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれ、現在62歳~60歳に該当する世代の退職直後(1年以内)の男性を対象に、地域活動への参加に対する関心と行動のきっかけとなる動機と健康状態について追跡調査から経年的変化を明らかにすることである。具体的には、退職後に地域の中で新たに築き出した交流の状況の様子について退職前の交流の状況とも比較しながら、地域活動に積極的に参加するという変化を遂げた人と、閉じこもり傾向にある人との違いについて質的に明らかにすることを目指している。 今年度は、22年度からの追跡調査開始にむけて、団塊世代の特性や健康行動、男性中高年の特性や健康行動、閉じこもり予防等に関連した文献レビューを実施した。上記により団塊世代向けの意識調査、積極的に活動している特定集団に対しての調査は見られたが、閉じこもり男性を追跡する研究は稀であり明らかにすることができればその意義は大きい。 また、22年度から開始する定期的面接の内容を決定するために、以下の2点を実施した。 (1) 調査研究対象者である団塊世代男性の動向を探る目的にて、産業保健や地域福祉関連の学識経験者から意見を伺った。 (2) 退職3年以内の該当世代にプレ・インタビューを実施した。 来年度より23年度まで、職種やこれまでの地域参加経験の異なる対象10名を抽出し、定期的に個別面接の方法にて、地域活動への接点や関心、健康行動の有無について質的に調査する。
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