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2011 年度 実績報告書

高齢者の尿失禁への看護介入-健康で自立した高齢者を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 21792309
研究機関山口大学

研究代表者

留畑 寿美江  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40360995)

キーワード過活動膀胱 / QOL / 高齢者
研究概要

本年度の研究目的は、過活動性膀胱を有する高齢女性の排尿機能が生活行動にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることとした。生活行動の自立している高齢女性27名を対象に過活動膀胱スクリーニングを実施したところ、14名が軽度の過活動膀胱を有していた。排泄機能のパラメータとして尿意出現時の膀胱容量、排尿量、尿排出時間、残尿量および平均尿流率を用いた。生活行動への影響を評価ツールは過活動膀胱の評価に用いられるQuality of Life (QOL)尺度であるKing's Health Questionnaire (KHQ)および健康状態を包括的に測定するSF-36v2の2種類のQOL尺度を用いた。また被験者は飲水量、排尿回数を連続した3日間の自宅で記録した。
過活動膀胱ではない高齢女性13名(平均年齢66歳、平均体重51kg、BMI22)の日中の平均排尿回数は8±2回/日、夜間排尿回数は1±1回/日、水分摂取量は1522±620mlであった。一方、過活動膀胱を有する高齢女性14名(平均年齢68歳、平均体重57kg、BMI25)の日中の平均排尿回数は8±3回/日、夜間排尿回数:は2±2回/日、水分摂取量は1542±497mlであり、夜間排尿回数は過活動膀胱を有する高齢女性に有意に多かった。全ての排泄機能のパラメータは過活動膀胱群と非過活動膀胱群間に有意な差はなかった。KHQ得点は「身体的活動の問題」が過活動膀胱群10±16点、非過活動膀胱群0点であり過活動膀胱群が有意に得点が高く身体的活動が低下していることが判明した。「睡眠・活力」はそれぞれ27±27点、8±11点であり過活動膀胱群が有意に得点が高く睡眠の妨げや活力の低下を知覚していることが明らかになった。またSF-36v2では「心の健康」が過活動膀胱群45±16点、非過活動膀胱群57±9点であり過活動膀胱群の得点が有意に低かった。以上の結果から、過活動膀胱群は夜間排尿が身体的活動、睡眠・活力および心の健康に影響しているのでは、と仮定された。そこで、それぞれの相関関係を調べたがいずれの間にも関連は認められなかった。しかしながら、過活動膀胱を有する高齢者は夜間排尿の症状が強いため断眠により熟眠感を得られにくく、十分な休息を得られないことで疲労感が生じ日中の活力の低下に少なからず影響を及ぼしている可能性があると示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 過活動膀胱症候群を有する高齢女性の排尿症状とQuality of Life評価の検討2011

    • 著者名/発表者名
      留畑寿美江、南山祥子
    • 学会等名
      日本看護技術学会
    • 発表場所
      日本赤十字看護大学(東京)
    • 年月日
      2011-10-29
  • [学会発表] 尿排泄機能に及ぼす加齢の影響:高齢女性と若年女性の比較2011

    • 著者名/発表者名
      留畑寿美江、松川寛二
    • 学会等名
      日本生理学会中国・四国地方会
    • 発表場所
      広島大学(広島)
    • 年月日
      2011-10-22

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公開日: 2013-06-26  

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