本研究では、認知症の重症化予防に効果的な園芸療法プログラムの作成方法を明らかにするため、特別養護老人ホームに入所中の認知症高齢者を対象に園芸療法を実施した。介入群と対照群の認知機能の変化の比較から、園芸療法は『記憶・学習』機能や『言語』機能に効果的と考えられた。 各セッションの前後に測定した唾液中クロモグラニン A の変化と活動中の対象者の状況からは、生活に密着した植物の使用は精神的ストレスを軽減したり、記憶を引き出したり、会話を活発化したりし、認知症の三次予防を目指す園芸療法プログラムに適していると思われた。また、 園芸療法の実施においては、 特に難聴者、農業未経験者、認知機能がかなり低下した者へ配慮することで、園芸療法の効果を高めることができると考えられた。
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