本年度は、訪問看護師の主観的責任と勤務継続意志や職務満足などとの関連を明らかにすることを目的に、自記式質問紙票を用いたアンケート調査を以下の要領で実施した。 調査対象は、札幌市内の指定訪問看護事業所79カ所において訪問看護業務に従事する看護職546名。質問紙は、属性および訪問看護業務に関する18項目、主観的責任3項目、勤務継続意思2項目、健康状態2項目、ソーシャルサポート9項目、職務の現状認識65項目の計99項目で構成した。回収した質問調査票から表型計算ソフトを用いてデータセットを作成し、統計パッケージIBM SPSS Statistics 18によって集計解析を行った。 質問紙は546名に配布し294名から回答を得た(回収率53.8%)。対象者の性別は、女性288名、男性6名であった。平均年齢±標準偏差(以下、SD)は44.47±7.84歳、看護職平均経験年数±SDは21.66±8.61年目、うち訪問看護職経験年数±SDは6.90±5.02年目、現職場経験年数±SDは5.07±3.96年目、現職場は、1.60±1.24箇所目であった。「訪問看護生涯勤務継続意思あり」は、一生続けたい」、「一時退職しても再就職したい」を合わせて219名(81.7%)、「現職場勤務継続意思あり」は250名(86.8%)であった。「訪問看護師の負う責任は重い」と回答した者は288名(99.7%)、「訪問看護師の責任は病院看護師より重い」と回答した者は236名(81.7%)であった。 今後、さらに分析を進めていくが、現状では、訪問看護師の負う責任が重いとしながらも、この仕事は続けていきたいと考えているものが多いことが明らかになった。
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