平成22年度は当初の計画通り、昨年度行ったTrue Teller(三菱総研:以下TT)による分析の結果を踏まえ、同じデータを用いて、SPSS Text Analysis for Surveys(IBM SPSS:以下STAFS)を用いたテキスト解析を実施し、SPSS Statisticsを用いて統計分析、図表の作成を行い、二つのテキストマイニング用ソフトウェアの利便性等を比較検討した。双方の分析とも、分析上、最も時間を有するのは分析用の辞書(類義語等)の作成であったが、単純に単語を抽出して分析する場合には、テキストの分析について大きな相違は見られなかった。TTは、データのインポートから出力までが一体化されており、図表の作成等の操作性に優れているが、STAFSはSPSS Statisticsで利用できる形態にデータを加工するツールであり、その後の分析はどのような統計手法も研究者側で選択できるため、自由度が高いと考えられた。 また計画に追加して、別途入手した訪問看護に関する介護報酬等への要望に関する自由回答に関する分析を行ったところ、カンファレンスへの出席や重症者への評価といった要望を定量的、視覚的に容易に把握することができ、テキストマイニングを積極的に分析に用いる意義があると考えられた。 研究期間後半において、東日本大震災への対応等に伴う時間的制約により、十分な比較検討が困難となったため、検討を継続し論文等により発表する予定である。
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