研究概要 |
本研究では転倒骨折予防講座の開催により,運動,転倒予防に対する啓蒙,フットケアおよび栄養の指導等からなる包括的な介入プログラムを都市部に居住する高齢者に提供し,講座参加後における調査対象者の運動の実施状況や運動に関する認識を記述すること,及び,上記の講座への参加が調査対象者の転倒予防に向けた運動習慣の獲得におよぼす影響について明らかにすることを目的としている.特にこの研究では,運動習慣の獲得を目指し,カレンダー式の記録用紙を講座の参加者に配布し,その記入を促す取り組みを行うことで生じる変化を把握することに焦点を当てている. 平成21年度は6月に,著者の所属施設における研究倫理審査委員会への申請を行い,研究に着手できる準備を整えた.その上で,7月頃には,都市部在住高齢者に対して上記の講座開催に関わるチラシを配布し,調査対象者の公募を行った,さらに,9月末~10月の期間には,上記の講座を東京都内で計4日間にわたって開催した.講座には36名の高齢者の参加があり,主としてストレッチや運動の仕方など,転倒予防に役立つ情報を提供した.また,講座終了後3カ月目には,フォローアップを目的とした講座を再度開催するとともに,運動習慣の獲得状況に関わるデータを収集した. 平成22年度は,昨年度と同様のスケジュールならびに方法で,上記の講座を開催しデータ収集を引き続き行っていく,それとともに,データ分析が行えるよう準備をすすめていく計画である. また,データ収集や講座開催と並行して運動や転倒予防をキーワードとした文献検討を行い,研究成果の公表に向けた準備も進めていく.
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