研究概要 |
地域包括支援センター専門職にみられる職業性ストレスの実態を明らかにすることを目的に,1500人(有効回答数1150人)を対象に行った22年度末の郵送調査では,業務量が多いと認識している者は9割以上で,仕事にやりがいを感じている者や継続意欲のある者は多いとは言い難い結果であった。また,ストレス関連尺度間では,GHQとSOC,MBIとSOCにそれぞれ負の相関があり,SOCが高いことは精神健康状態の安定とバーンアウトの予防に繋がると考えられた。今後は専門職スタッフの精神健康面に対する支援体制を整えるため,ストレス対処に焦点を当てた現任教育体制の構築の必要性とともに,業務をより効率的に行えるようなツールの開発が必要であることが示唆された。 この結果をもとに,A県内B保健所管内の地域包括支援センター職員を対象とした「介護予防事業評価の考え方」についての研修会を開催する中で,「日ごろの業務で特にストレスを感じるものが何か」についてアンケート調査を実施した。最終年度となる23年度の実施計画としては,このアンケート結果を集計したうえで地域包括支援センター職員のニーズを再度検討し,現任教育研修プログラム開発の一助となるようなツールの開発に努めたい。また,この調査結果を学会(今年10月に秋田で開催される日本公衆衛生学会を検討)等で発表し,地域包括支援センターに関連した研究の基礎資料となるような成果を残したい。にてその成果を発表する予定である。
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