ある病棟をモデルに組織文化的な課題を抽出し、その課題の解決に向けた変革を試みながら、予防モデルに基づく行動制限削減プログラムを導入し、行動制限最小化に寄与する組織文化のあり方について検討した。その結果、集団のもつ価値を同調性から多様性へ、動くことから考えることへ、組織感情を不安感から安心感へ、無力感から有能感へと意識した介入を行うことで、集団は探求する共同体へと変革され、双方向的な行動様式を獲得し、行動制限最小化が推進されると考えられた。しかし、行動制限量の推移から見ると期間内ではその効果は不確実であり長期的な評価が必要である。
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