研究課題/領域番号 |
21792328
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
足立 勝宣 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (30517256)
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キーワード | 自殺防止 / ケアシステム / こころの健康づくり / うつ病 / スクリーニング |
研究概要 |
労働安全衛生法に定める定期健康診断における法定外の検査項目として、自己記入式抑うつ尺度質問票CES-Dおよび唾液アミラーゼを用いたこころの健康診断を実施し、要支援者に対する事後措置とその効果に関する検証を行った。こころの健康診断実施については、H24年秋からの法制化に向けた議論が政府にて進められており、本研究はその先駆けとなっている。 某事業場において、H22年度調査におけるCES-D得点が16点以上の要支援者に対して介入を行い、1年後(H23年度調査)における改善を認めることができた。事後措置については、個々のケースや事業場の実情に見合った対応マニュアルの策定が必要であり、より具体的かつ効果的な介入策を今後も引き続き検討していく構えである。うつ病判定のための生物学的指標の確立を目指すべく、唾液アミラーゼの有用性についても、合わせて検証を続けている。 また職域においては、抑うつ症状に類似して、自閉症スペクトラム障害など、社会適応性が根底の問題となっているケースも考えられているため、各種の質問紙の集約と編集を進め、精神保健管理のための新たな質問票開発とその評価も並行して進めている。 なお、情報管理システムのカスタマイズを進め、健康管理体制の充実を進めた。包括的管理には、システムの運用と充実が欠かせず、より多面的な管理が出来るよう有識者を交えながらネットワークの構築を進めている。今後も中長期的に継続した実施と評価が必要であるため、来年度以降も継続した調査の実施と評価を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
労働安全衛生法に定ある定期健康診断にて、抑うつ症状に関する質問を法定外の検査項自としで付加し、メンタルヘルス対応も合わせて健康診断実施後の措置として位置づける体制を完備した。これまでの調査によって得られた成果および報告を、関係する雑誌へ2編掲載を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
こころの健康診断の位置づけについては、H24年秋の法定化に向けて政府で議論されている。国の動向に合わせながら都度、臨機応変に対応し、これまでの成果を現場に反映するための研究遂行が求められる。
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