研究概要 |
本研究は、4年間の研究期間で、地域住民の健康を維持・向上するために、特定健診受診者の保健行動と健診結果から健診受診者のニーズを把握し、保健師などによる特定保健指導の効果を明らかにすることが目的である。助成初年度にあたる、本年度は、(1)研究を遂行する体制づくり、(2)研究対象となる特定健診・特定保健指導の実際について把握・調査項目の検討、(3)一自治体における平成20~21年度特定健診受診者への調査を実施した。 (1)研究を遂行する体制づくりでは、北海道医療大学大学院研究倫理委員会の承認をうけ、研究を遂行する自治体と研究目的の共有・研究方法の検討や確認を行った。 (2)研究対象となる特定健診・特定保健指導の実際について、北海道内で特定健診受診率が前年度と比べて高まった自治体でインタビューの了解の得られた、上富良野町・中富良野町・深川市・当別町に出向き、実際に特定健診・特定保健指導に従事している保健師や関連職種から情報を収集した。さらに、特定健診・特定保健指導後の住民が集う豊浦町町民健康教室に参加し、直接住民から特定健診・保健指導の感想・意見の聴取および町民同士の話し合いに参加した。これらの情報収集期間を経て、調査項目を検討した。その結果に基づき、健診受診の行動変容ステージ・自己効力感・健診受診に関すて利益と不利益および行動変容の10のプロセスの各概念に関する調査項目を作成した。 (3)一自治体において平成20~21年度の特定健診受診者1,123人を対象として、郵送によるアンケート調査を実施した。調査項目は、属性・保健行動(食事・運動・休養など)・特定健診受診とその結果に関する項目・特定保健指導に関する項目および上記(2)で作成したトランスセオレティカルモデルの構成概念に関する項目を設定した。現在、アンケートの回収・入力を行っている。今後結果の分析および公表を順次すすめていく予定である。
|