研究概要 |
本研究は、4年間の研究期間で、地域住民の健康を維持・向上するために、特定健診受診者の保健行動と健診結果から健診受診者のニーズを把握し、保健師などによる特定保健指導の効果を明らかにする目的で、研究助成を受けている。研究助成2年目の本年度は、(1)前年度調査の分析と結果のまとめ、(2)今年度調査の調整と実施を行った。 (1)前年度調査の分析と結果のまとめ 一自治体において特定健診を平成20~21年度に受診した40~64歳の1,123人を対象に自記式調査用紙を郵送した。調査用紙が郵送できたのは1,113人であり、調査目的に同意し調査用紙を返送したのは515人(45.3%)だった。調査項目は、属性、保健行動(食事・運動・休養など)、健診受診行動とその結果、特定保健指導に関する項目等である。回答者の59.0%が女性であり、平均年齢は56.4歳だった。毎年健診を受けている339人(65.8%)とそうでない159人(31.9%)の2群で分析したところ、健診毎年受診群の方がそれ以外の群より、食物繊維を取るようにしている・塩分を控える・飲酒しないもしくは休肝日を設けるなどの保健行動をとる割合が有意に多かった。また、収縮期血圧・γGTP・中性脂肪の健診結果が健診毎年受診群で有意に低かった。これらの結果から、健診を毎年受診し、健康的な保健行動をとることは、メタボリックシンドローム予防に重要であると示唆された。 (2)今年度調査の調整と実施 前年度と同じ自治体で、自記式調査用紙を再検討し、調査の承諾を得た。平成22年度に特定健診を受診した40~64歳の814人に自記式調査用紙を郵送した。現在、アンケートの回収・入力中である。今後、健診新規受診者と継続受診者に分けて分析し、健診新規受診者のニーズを検討する。また、平成21年度に調査した対象者と今年度の対象者のデータを結合し、特定保健指導の1年後の効果を検討する。
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