本研究の目的は、病的賭博者家族の自助グループへの参加による内面的成長過程を明らかにすることである。 平成22年度は、日本地域看護学会13回学術集会(7月11日)一般口演(O-7-04)にて「病的賭博者家族の自助グループ参加に至る過程」、第36回日本看護研究学会学術集会(8月21日)第5群地域・家族看護にて「病的賭博者家族の病的賭博に付随する問題への対応の実態」を口演発表した(演題番号23)。そして日本アディクション看護学会第9回学術大会(11月7日)では、一般演題II群-6にて「病的賭博者の家族が外部への相談に至るまでの体験」を口演発表した。関連学会への参加及び発表によって、病的賭博に関する課題や対応の示唆を得ることができた。 10月12日には、川崎医療福祉大学3603講義室にて、ギャンブル依存ファミリーセンター代表町田政明氏を講師に迎え、援助者情報交換会「ギャンブル依存症とその支援について」を企画実施した。ギャンブル依存症に関心のある援助職者を対象とし、精神保健福祉関係職員等がギャンブル依存症についての知識と対応方法について情報を共有し、家族や本人への支援の際に活用することを目的とした。当日は28名の参加があり、ギャンブル依存症とはどのような病気か、ギャンブル依存症の回復と家族、援助機関の対応、家族へのインタビュー結果について、講演および意見交換を行った。本行事の岡山県内での開催は初めてであり、精神保健福祉関係の援助職が知識を深めることにより、岡山県内での情報共有、支援体制の構築が促進されることが期待できる。
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