わが国では、訪問看護師により在宅で介護をして看取り終えた後の遺族に遺族訪問が行われているが、これには気持ちに区切りをつけて新たな生活に向かわせるなどの効果があり、心の整理を促す重要な役割を果たしている。そこで、こうした役割を効果的に果たすために誰がいつどのように訪問すればよいかなど具体的な方法を検討するため、記述的探索的デザインを用い、平成22年度は、以下の方法で研究を進めた。 1.前年度に引き続き、研究対象者を選定するためにA県内の訪問看護ステーション1ヶ所へ研究協力を呼びかけ、研究対象者より協力の承諾を得た。 2.承諾が得られた対象者に対して、あらかじめ作成しておいたインタビューガイドに基づき半構成的面接を行った。 3.対象者に録音の了承を得てMDに録音した面接内容を、すべて研究者自身により逐語録に起こした。同時に、得られたデータを順次コード化し、質的帰納的に分析した。分析にあたっては、感性を高めるため、関連する分野の文献を入手したり、関連学会の主催する学術集会に参加し、情報収集を行った。 平成23年3月末時点までに13家族15名の研究対象者からデータを得て、データをコード化している。次年度には、継続してデータをコード化するとともに、それらをカテゴリー化し、関係を整理しながらまとめ、考察していく計画である。また、得られた結果を国内の看護系の学会にて発表、また学術雑誌に投稿することで、得られた知見を開示する予定である。
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