住民組織におけるメンバーの活動意欲向上に向けた支援モデルを開発することを目的として、A市の住民組織メンバーを対象として、郵送法による自記式質問紙調査を実施した。質問項目は、1.個人属性、2.地域活動に関する意識及び生活満足度、3.住民組織活動に対する意識・活動意欲要因、4.活動意欲、5.保健師の支援内容に対する認識(重要度)とし、個人属性及び活動意欲を除く項目の回答は、いずれも5段階尺度((1)そう思わない-(5)そう思う:MAX5.00)とした。 質問紙送付数280に対して、有効回答数は196(70.0%)、回答者の性別は、男性98名(50.0%)女性98名(50.0%)、平均年齢は61.76、平均居住年数は30.9であった。地域活動に関する意識については、《地域に対して愛着がある》の平均値が4.40、《地域の人の役に立ちたいと思う》が4.35、《リーダーシップを発揮したい》は3.26、《これまでの人生経験や能力を地域で生かしていきたい》が3.91であった。また、《現在、私生活が充実している》は4.24、住民組織活動に対する意識については《活動が楽しい》が3.70、《活動の負担が大きい》が2.50、《外的報酬を得たい》が1.85、《活動を継続していきたい》が3.80であった。活動意欲要因である《活動の必要性が理解できている》は4.11、《メンバーとの連帯感をもつことができている》は3.89、《保健師と連帯感をもつことができている》が3.74、《活動が進展している》は3.54、《活動は自分やメンバーによって決定できている》が3.58、《活動は自分や地域において何らかの効果がある》が4.00、《活動に期待がもてる》が3.68であった。保健師の支援内容に対する認識(重要度)については、《メンバーの活動を地域住民に広く知らせる》が4.18と最も高く、次いで《活動に関連する新しい情報を提供する》が4.12、《メンバーと共に活動の経過を確認しあう》が4.10であった。住民組織メンバーは、保健師による【活動発展への支援】を重要視していることが明らかになった。
|