2008年4月から特定健診・特定保健指導が実施されることになり、保健指導者個人のスキルアップが保健師にとって急務となっている。 これまでにも生活習慣病の増加、医療費の増大これらを受けた健康増進法の施行などにより、保健指導の重要性が高まり、その内容の充実が求められてきていた。しかし、保健指導が長年ブラックボックス化したまま、中身を問われることがなかった。同様に教育現場においても、保健師の保健指導における明確なプログラムがないままに教育がされてきた現状がある。そこで本研究では、OSCEを用いて保健師(学生)の保健指導技術実践教育プログラムの開発を目指し、保健指導技術向上を図ることを目的とし今年度には、訓練された一般市民ボランティア(以下ボランティアとする)と学生や教員の行う標準模擬患者について、特にボランティアの標準模擬患者は、臨場感がありリアリティーある対象である。また、ボランティアの標準模擬患者からのフィードバックは、患者の気持ちや自己のコミュニケーションを再認識できる欠点としては、評価の公平性の問題がある。これは、標準模擬患者が概略評定を主体とするため、標準模擬患者と受験者が面識のない方がよいことを指摘している。特に、態度の評価を主体とする医療面接、説明・指導系の課題には、ボランティアの標準模擬患者の参加が必要である。また、標準模擬患者の調達に向けた努力を続けつつ、標準模擬患者が手軽に調達できない現状では、十分な模擬患者の標準化が必要である。
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