研究課題
様々な異種ネットワークのIP(Internet Protocol)による統合が加速し、いつでもどこでも利用可能なユビキタスネットワークの構築が進んでいる。しかし、そのようなネットワークにおいて様々なサービスを展開するためには、現在のTCP(Transmission Control Protocol)に代わる新たな次世代高機能トランスポートプロトコルの開発が必須である。本研究は、性質(帯域、遅延、エラー率など)の不均一性が高い統合IPネットワークにおいても、通信効率や通信品質(QoS:Quality of Service)の面で優れた性能を発揮できるプロトコルの創出を目指すものである。本年度は、性質の不均一性の中でも特にTPCの通信性能に大きな影響を与えるエラー率に着目した。無線ネットワークでは電波強度が時間的・空間的に激しく変化するため、伝送エラーによるIPパケットの喪失が発生する。これは、携帯電話はもちろん、WLAN(Wireless Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)など無線通信一般に言えることである。一方、TCPはIPパケット喪失の原因はネットワークの混雑であるとの前提で設計されているため、結果として伝送エラー率が高いネットワークでは通信性能が大幅に低下する。この課題を克服するため、本研究では、IPパケットの喪失の原因がネットワークの混雑であるか、それとも伝送エラーであるかを推測するための制御技術を確立した。ネットワークの中継装置に比較的実装が容易なパケットマーキング機構を導入することにより、送信端末がネットワークの状態を容易に推測することが可能となり、ネットワーク状態の変化に適応した通信制御を実現することができる。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
IEEE Wireless Communications
巻: Vol.17, No.2 ページ: 7-14
Proceeding of IEEE Wireless Communications & Networking Conference 2010(WCNC 2010)
ページ: 1-6
http://www.it.ecei.tohoku.ac.jp/