今回の研究では、ラット頭蓋骨骨欠損部にOCP/Co1を埋入し、OCP/Co1によって新生された骨再生部位にインプラントフィクスチャーを埋入し、OCP/Co1による新生骨とインプラントフィクスチャーとの接合(オッセオインテグレーション)が十分に得られているかを確認し、OCP/Co1による新生骨が、臨床でのインプラント治療において有効であるかを検討することを目的とした。 OCPは、湿式合成法で作製した。粒子径300~500μmに整粒されたOCP、10.5mgをブタ皮質由来アテロコラーゲンに混合し、直径9mm、厚さ1mmのディスク状に成型後に熱架橋処理を行ってOCP/Co1を作製した。作製は東北大学大学院歯学研究科・顎口腔機能創建学分野(鈴木研究室)にて行った。実験動物はWistar系ラット、オス、12週齢を用いた。ラットはネンブタールで全身麻酔を行い、頭頂部の皮膚、骨膜を、メスを用いて切開し、丁寧に剥離した後、ラットの頭蓋骨に直径9mmの自己修復不可能な骨欠損を、トレフィンバーを用いて作成した。その骨欠損部に作製したOCP/Co1を埋入し、骨膜、皮膚を復位縫合した。埋入4週後に大量のネンブタールでラットを安楽死させ、標本を摘出し、実際に作製したOCP/Co1が骨再生能を示すことを、軟X線写真撮影、組織学的評価(ヘマトキシレン・エオジン染色)で確認した。 チタンインプラント材料埋入のために、再度同様にラットの頭蓋骨にOCP/Co1を埋入し、現在骨再生まで経過観察中。コントロールのラットには骨欠損の作成やOCP/Co1の埋入は行わない。 チタンインプラントは現在依頼中である。
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