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2009 年度 実績報告書

多数目的最適化に有効な進化型アルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21800021
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関電気通信大学

研究代表者

佐藤 寛之  電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (60550978)

キーワードアルゴリズム / 人工知能
研究概要

本研究は,多数目的最適化問題(MaOP)に有効な進化型アルゴリズム(MOEA)を開発することを目的としている.研究計画に示した解の支配制御パラメータSの適応的決定法に関して,世代的にSを変更する方法を検討した結果,雑誌論文1件の成果が得られた.その後,解集団中の個体ごと適応的に解の支配領域を決定する方法を考案し,論文を国際会議に投稿中である.この方法では,従来の解の支配領域制御法のパラメータSの設定を不要にし,さらに研究計画に示した別の課題である,パレート最適解集合(POS)の多様性も改善する実用的なアルゴリズムを実現出来た.
MaOPにおけるMOEAの解探索性能のさらなる向上が急務であることから,研究計画にあげたPOSの視覚化法の検討より優先して新しいMOEAの開発に取り組んだ.その結果,パレート部分支配を用いるMOEA(PPD-MOEA)を提案し,国際会議論文1件と雑誌論文1件の成果が得られた.従来のMOEAは,m個全ての目的関数を同時に考慮して解の支配関係を算出するが,PPD-MOEAは,m個の目的関数の中から取り出したr個の目的関数に対してパレート支配を部分的に適用した親選択を行う.さらに,r個の目的関数を何世代かごとに時間的に変更することによって,最終的に全目的関数を最適化するアルゴリズムを実現した.4~10目的のテスト問題を用いたシミュレーション実験の結果,従来法であるIBEA,CDAS,MSOPSと比較して,PPD-MOEAによって獲得されたPOSは,最適なパレートフロントへの収束性と多様性の両面でバランスの良い解探索を実現できることが確かめられた.従来のMOEAでは十分な解探索性能が得られない4目的以上の同時最適化において,PPD-MOEAは高い解探索能力を示し,MOEAによる多目的最適化の適用範囲の拡大に貢献できたと考えられる.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 多数目的0/1ナップザック問題における部分支配を時間的に切り替えるMOEAの効果2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之, エルナン・アギレ, 田中清
    • 雑誌名

      人工知能学会論文誌 25巻2号SP-G

      ページ: 320-311

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of NSGA-II and NSGA-II with CDAS, and Proposal of an Enhanced CDAS Mechanism2009

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Tsuchida, 佐藤寛之, Hernan E.Aguirre, 田中清
    • 雑誌名

      Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics (JACIII) Vol. 13, No. 4

      ページ: 470-480

    • 査読あり
  • [学会発表] パレート部分支配を用いるMOEAの多数目的最適化における効果の検討2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之
    • 学会等名
      進化計算研究会 進化計算シンポジウム2009
    • 発表場所
      かんぽの宿那覇レクセンター
    • 年月日
      2009-12-19
  • [学会発表] Pareto Partial Dominance MOEA in Many-Objective Optimization2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之
    • 学会等名
      The 2009 AI^*IA Workshop on Complexity, Evolution and Emergent Intelligence
    • 発表場所
      Reggio Emilia, Italy
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] 部分支配を用いる多目的進化型アルゴリズムの検討 (その1) -部分支配によるフロント分布の推移の調査-2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之
    • 学会等名
      平成21年度電子情報通信学会信越支部大会
    • 発表場所
      信州大学工学部
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] 部分支配を用いる多目的進化型アルゴリズムの検討 (その2) -多数目的最適化問題における効果の検証-2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之
    • 学会等名
      平成21年度電子情報通信学会信越支部大会
    • 発表場所
      信州大学工学部
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] 多目的進化型アルゴリズムにおける支配の拡張と効果2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛之
    • 学会等名
      人工知能学会第一回進化計算フロンティア研究会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2009-04-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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