研究課題
前年度までの動物実験の結果ならびに医療従事者からの助言をもとにSMAガイド形状と電極配置位置の再検討を行った。具体的には、より脳組織への損傷が少ないと考えられる円形がガイド形状として最適であると予想し、専用の形状記憶処理用金型を作成し、直径がそれぞれ1、2、3cmの円形ガイドを作成した。さらに、柔軟な状態での挿入時にもっとも力学的負荷がかかると推測される先端部ならびに支持部(付け根)には電極を配置しないこととし、円形ガイド上に等間隔に6つの微細白金電極を実装した。この電極アレイを用いて、サルの頭蓋骨に穿孔した直径5mmの穴から皮質脳波(体性感覚誘発電位)を計測することに成功した。計測範囲は従来の硬膜下グリッド電極に及ばないものの、サルの一次体性感覚野の位置特定が可能であったことから、てんかんの焦点特定に十分な空間分解能をもつことを確認した。電極アレイで得られた信号を差動増幅する機能をもった32チャンネルCMOS計装増幅回路を設計し、東京大学VDECを通じて試作を行った。計算機シミュレーションにおいて、十分な増幅率、同相モードノイズ除去比、製造偏差に対するロバスト性を得られることを確認した。チップレイアウト設計の結果、この回路は2.5mm角のCMOS集積回路内に配置可能であることがわかった。東大VDECを通じ0.18um CMOSプロセスで試作を行った結果、提案する回路が±1.5Vの電源下において数百uVの微小電圧信号を1000倍に差動増幅する機能を持っていることを確認した。
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Advanced Materials Research
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http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~ttyamak/