研究概要 |
本研究では,跳躍能力からみた個々人の体力特性に基づいた子どもだちの体力・運動能力の向上方策について検討することを目的としている.そのためのトレーニングプログラムの開発を目指して,本年度では特に,跳躍運動の中でも踏切時間の極めて短いリバウンド型ジャンプのトレーニング効果について,発育段階の違いに着目してトレーニング介入実験を試みた.小学校(小2:47名,小4:33名および小6:38名),中学校(中3:24名)および高等学校(高2-3:19名)年代の子どもたちを対象に,リバウンド型ジャンプ能力を向上させるためのジャンプトレーニングを同一期間,同一量行わせることによって,発育段階の違いによるトレーニング効果の違いについて検討した.トレーニング期間は,トレーニング前後の測定期間を含めて10週間とし,週2回のトレーニングを行った.その結果,いずれの年代においても,垂直跳(カウンタームーブメントジャンプ:CMJ)の遂行能力(跳躍高で評価)には有意な変化は認められなかったが,リバウンド型ジャンプの遂行能力(RJ-indexで評価)はトレーニング後に有意に向上した.トレーニング前後におけるRJ-indexの増加率は,年代に関わらず110%前後であり,年代間に差はみられなかった.このことから,踏切時間の極めて短いリバウンド型ジャンプのトレーニング効果は,いずれの年代においても認められるが,その効果の大小は発育段階の違いに影響されるものではない可能性のあることが示唆された.
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