本研究では多数の計算コアを持つメニーコアCPU環境に適切な、新しいファイルキャッシュアルゴリズムを開発することを目指した。新アルゴリズムは、アクセスコストが大きいデータを優先的にキャッシュすることで性能向上を試みる。アクセスコストとはセカンダリストレージから読み出すのに必要な時間のことであり、たとえばランダムアクセスされるデータはアクセスコストが高いといえる。関係データベースに対する標準的なベンチマークであるTPC-Hによる評価では、実機上において5%程度の高速化を達成できたが、実用に足ると考えられる数十%ないしは、数倍といったオーダでの高速化は達成できなかった。
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