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2010 年度 実績報告書

神経変性疾患モデルハエを用いた神経変性とエネルギー代謝異常に関わる分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21800064
研究機関早稲田大学

研究代表者

松田 七美  早稲田大学, 先端科学・健康医療融合研究機構, 講師 (70360641)

キーワード神経変性疾患 / 病態モデル / ショウジョウバエ / エネルギー代謝 / 神経細胞死 / 老化
研究概要

本研究では、多くの神経変性疾患に共通してみられ、その発症メカニズムとの関連性について不明な点が多い病態としてエネルギー代謝異常に着目し、逆向き遺伝学が最も発達した多細胞生物であるショウジョウバエを用いて解析モデルを作製し、神経変性発症に関わる普遍的な分子機構を探ることを目的とする。我々は、ヒト神経変性疾患モデルとして、in vivo RNAiにより神経組織特異的に神経変性疾患責任遺伝子をノックダウンすることが可能なトランスジェニックショウジョウバエ系統の作製を行った。パーキンソン病、及び筋萎縮性軸索硬化症2型(ALS2/Al sin)の責任遺伝子のショウジョウバエホモログdparkin、及びdal s2のノックダウン系統を作製し、これらの病態表現型(原因遺伝子の機能抑制による致死性、行動異常など)を解析した。その結果、神経特異的dparkin、及びdal s2ノックダウン疾患モデル系統(el av>dparkin-IR、及びel av>dal s2-IR)では、コントロール系統(el av>lacZ-IR)と比較して、有意な寿命の短縮、及び行動量の減少が認められることを明らかにした。また、ALS2/Al sinの生理学的・病理学的機能について明らかにする目的で、dal s2を複眼特異的に発現させたトランスジェニックショウジョウバエ系統(GMR>dal s2)を作製し、解析を行った。その結果、dALS2がショウジョウバエの細胞死促進因子Reaperによる神経細胞死を抑制し、神経保護因子として作用することを明らかにした。現在、さらに神経・筋肉の変性、異常蛋白の蓄積、神経細胞死、ストレス感受性、エネルギー代謝変化などについて組織学的、形態学的、生化学的解析を行い、対応するヒト神経変性疾患の病態を再現しうるショウジョウバエの疾患モデル系統の確立を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] (増刊特集号・細胞死研究総集編)細胞競合の分子機構2010

    • 著者名/発表者名
      松田七美
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 28 ページ: 1111-1121

  • [学会発表] ショウジョウバエを用いた神経変性疾患、及び老化モデルにおけるエネルギー代謝制御に関わる分子機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      堤香菜子、大野貴久、平本美香子、金井麻衣、合田亘人、松田七美
    • 学会等名
      第4回早稲田大学・東京女子医科大学TWInsジョイントシンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-03-05
  • [学会発表] ワークショップ"組織構築とがん化を制御する細胞競合の分子機構":『癌関連遺伝子Mycを介した細胞競合の制御機構』2010

    • 著者名/発表者名
      松田七美
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸、兵庫県
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] ショウジョウバエの2型筋萎縮性側索硬化症モデルを用いたALS2/Alsinの機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      堤香菜子、合田亘人、松田七美
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸、兵庫県
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] Genetic studies of age- and metabolism-related neurodegenerative diseases in Drosophila.2010

    • 著者名/発表者名
      Nanami Senoo-Matsuda
    • 学会等名
      The 8th Joint Symposium between the University of Bonn and Waseda University
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2010-10-12
  • [学会発表] Analysis of factors involved in competitive interactions during growth using a Drosophila cell-culture based assay system.2010

    • 著者名/発表者名
      Nanami Senoo-Matsuda, Laura A.Johnston, Nobuhito Goda
    • 学会等名
      The 51st Annual Drosophila Research Conference
    • 発表場所
      Washington DC, USA
    • 年月日
      2010-04-07

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公開日: 2012-07-19  

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