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2010 年度 実績報告書

脳卒中片麻痺患者の体力を制限する因子の特定-呼吸機能における検討-

研究課題

研究課題/領域番号 21800070
研究機関健康科学大学

研究代表者

内田 学  健康科学大学, 健康科学部, 助教 (80531475)

キーワード脳卒中片麻痺 / 息切れ / 呼吸機能 / 連続歩行 / 中枢気道抵抗 / 体力低下
研究概要

本研究は、片麻痺者の呼吸機能、及び運動機能に特化した評価を行い片麻痺患者の連続歩行を制限する息切れ、呼吸苦の因子が運動器の障害であるか、または呼吸機能の影響なのかを明確にする事で、従来行われてきたリハビリテーション介入が妥当な対応であるのか判断する事を目的とした。対象は内科的に安定しており、医学介入の必要がない片麻痺患者23名であり日常的に歩行を移動手段とする者を対象とした。対象患者に100mの連続歩行を行った後に修正ボルグスケールにて呼吸苦の主観性を調査し、呼吸苦有り群・なし群で分類し呼吸機能、非麻痺側下肢伸展筋力、体幹可動性、胸郭拡張差、機能的自立度評価、Functional reachなどを測定した。呼吸機能はスパイロメーターを用いてVC、TV、IRV、ERV、FEV1.0%、PFE/HT、V75/HT、V50/HT、V25/HTを測定項目とした。FEV/HTは、呼吸苦ありが有意に高い値を示しPEF/HTでは呼吸苦ありが有意に低い値を示した。他の項目に有意差は認められなかった。本研究の結果では、片麻痺患者の体力低下は非麻痺側下肢筋力、胸郭拡張差や体幹回旋可動域、機能的自立度評価、Functional reachなどの運動機能に影響を与える因子において影響は少なく、呼吸器によるもの、特に中枢気道の気流制限による影響が大きいという事が推察された。脳血管障害により中枢性の問題が生じたことで自律神経系の調節が破綻して影響を及ぼしたのではないかと推察される。片麻痺患者が訴える「息切れ」は中枢気道の気流制限が影響していると考えられるが一般的に行われているROM-ex、筋力増強訓練や歩行訓練など運動器を中心にした治療介入は呼吸苦を伴い活動制限が生じている片麻痺患者に対して効果は不十分である。運動機能に問題のない片麻痺患者は従来のプログラムに加えて呼吸介入が必要である事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 脳卒中片麻痺患者の体力を制限する因子の特定2010

    • 著者名/発表者名
      内田学
    • 雑誌名

      臨床福祉ジャーナル

      巻: 7(1) ページ: 40-44

    • 査読あり
  • [学会発表] 脳卒中片麻痺患者の歩行時に生じる呼吸苦に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      内田学
    • 学会等名
      日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
    • 発表場所
      長崎(長崎ブリックホール)
    • 年月日
      2010-10-01
  • [学会発表] 脳卒中片麻痺患者の体力を制限する因子の特定-呼吸機能における検討-2010

    • 著者名/発表者名
      内田学
    • 学会等名
      理学療法科学学会
    • 発表場所
      国際医療福祉大学
    • 年月日
      2010-02-13

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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