本年度は、オンライン学習コミュニティログデータならびにYahoo!知恵袋データを利用し、1.基礎データの整備ならびに特徴量の計量、2.多変量解析ならびにネットワーク分析を利用したコミュニティの特徴分析、以上を行った。 整備されたデータセットが提供されているYahoo!知恵袋データについて、先行して分析を行うこととし、カテゴリーごとに質問者-回答者グラフを作成、集中度指標を計算したところ、コミュニケーションタイプ(知識交換、相談、議論)別に、コミュニティの質問者・回答者の分布構造が異なるという知見を得た。これは、AdamicらがYahoo! Answersについて、異なる指標を用いて示した知見と整合的なものであり、コミュニケーションタイプ別のコミュニティ構造の差異を明らかにするものである。以上は、オンライン・コミュニケーションの様態を明らかにし、ソーシャル・アティテユードを指標化するための基礎的な知見にあたる。 次年度以降、本年度の成果をもとに、プログやTwitter等、多種CGMデータとの比較も取り入れることで、オンライン・コミュニケーションの様態をより包括的に明らかにし、また、ソーシャル・アティテュードの指標化を行うこととする。これによって、円滑なオンライン・コミュニケーションの促進に資することを目指す。
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