本研究の目的は、大規模データベースにおける管理者の不注意による情報漏洩や管理者自身の内部犯行に十分に対処できない問題に対し、耐情報漏洩(Leakage-Resilience)性質を満たし、かつ実用的な検索可能公開鍵暗号方式を構築することにある。H21年度で研究した基礎方式を用いて、公開鍵暗号の耐情報漏洩安全性証明を示すに関する研究を行うが、処理の高速化・効率化も含めて研究を進める。具体的には、誤り訂正符号を用いた秘密分散方法を直接に本研究に使って、情報漏洩を防ぐことができる以外、それに基づいた確定論的な暗号(Deteministic Encryhption)の研究が情報漏洩防止につながることがわかりました。数学的な証明によると、誤り訂正符号を用いた確定論的な暗号は、秘密鍵の分散化によって、部分的な情報漏洩に耐えられる。さらに、IEEE Globecom 2010で発表された結果"Practical Searching Over Encrypted Data By Private Information Retrieval"はPrivate Information Retrieval (PIR)のデータベース検索技術を用いて、秘密分散法を使用した情報検索技術は暗号化されたデータを効率的に検索できることが示された。また、計算速度が早いため、従来よりいい性能も得られた。これらの結果を見て、耐情報漏洩暗号技術がより現実になる。そして、暗号の秘匿性をたもつまま、検索することも可能である。
|