現在、焼却処分されている都市ゴミや木質バイオマスなどの炭素系廃棄物を鉄鋼製錬プロセスにおいて還元材である石炭の代替原料として有効利用することができれば、石炭使用量を削減して日本国内のCO_2排出量を大幅に削減することが可能である。そこで本研究では、炭素系廃棄物の鉄鋼製錬プロセスへの有効利用の可能性を見出すために、各種廃棄物の炭化物(都市ゴミ炭化物、木質バイオマス炭化物)を還元材として利用した場合の酸化鉄の還元反応特性を実験的に明らかにすることを目的とした。その結果、グラファイトを使用した混合試料では反応が途中で停滞したが、各種炭化物を用いた混合試料では反応が停滞することなく反応が進行した。これは都市ゴミ炭化物および木質バイオマス炭化物の反応性がグラファイトの反応性よりも良いためである。
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