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2010 年度 実績報告書

複合汚染環境における微生物遺伝子応答の網羅的解析と環境評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21810021
研究機関愛媛大学

研究代表者

濱村 奈津子  愛媛大学, 沿岸環境科学センター, グローバルCOE准教授 (50554466)

キーワードメタトランスクリプトーム / 複合汚染 / 微生物生態 / 重金属耐性 / ヒ素
研究概要

本研究では、環境微生物群の汚染物質暴露に対する遺伝子応答を網羅的に検出する手法(メタトランスクリプトミクス)を確立し、複合汚染の現場生態系に及ぼす影響をより総合的に評価することを目的としている。22年度は、新規に採取したヒ素やセレン等の有害元素を含む塩湖の底泥及び周辺土壌を用いて、メタトランスクリプトーム解析用試料調整の検討を行った。環境サンプルを現場でLifeGuard(MoBio)とRNAlater(ABI)のRNA保存剤に採取し、室温で約7日間保存後RNA抽出時まで-20度で冷凍保存したところ、同一サンプルの比較においてLifeGuardで保存したサンプルは約10倍高いRNA収量を示した。環境RNAをランダムプライマーにより逆転写し、次世代シーケンサーで直接解読したところ、得られた全配列(約30Mb)のおよそ94.5%はリボソーマルRNAであった。rRNAの系統解析により、現場環境ではBacteriaが優位に存在し特に好塩・好アルカリ菌であるHalomonasやBacillusの活性が高いことが示されたが、機能遺伝子発現解析の効率化にはrRNAの特異的除去に向けてさらなる工夫が必要である。データベース解析により、全トランスクリプトーム中3.5%の配列が機能遺伝子として特定された。環境サンプル中で発現の確認された機能遺伝子グループとしては、エネルギー生成・代謝やタンパク質合成など微生物の生命維持活動に関わる機能に加えて、重金属耐性や代謝のような暴露に対する特異的応答と考えられる機能も検出された。21年度に解析したヒ素等の重金属を含む高温温泉群のトランスクリプトーム比較解析においても同様の機能遺伝子群の特異的発現が検出されたことから、これらの遺伝子群は有害元素複合汚染特有の毒性に対応する指標マーカーとして有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Distribution of aerobic arsenite oxidase genes within the Aquificales.2010

    • 著者名/発表者名
      Hamamura, N, R.E.Macur, Y.Liu, W.P.Inskeep, A-L.Reysenbach
    • 雑誌名

      Interdisciplinary studies on Environmental Chemistry.

      巻: 3 ページ: 47-55

  • [学会発表] 環境中ヒ素動態に影響を及ぼす微生物群集機能の解析2011

    • 著者名/発表者名
      濱村奈津子
    • 学会等名
      エコトピア科学シンポジウム「バイオレメディエーション:微生物群の解析からデザイン化まで」
    • 発表場所
      名古屋大学、愛知県
    • 年月日
      2011-01-28
  • [学会発表] Comparative meta-transcriptomic analysis of Aquificales-dominant terrestrial hot springs.2011

    • 著者名/発表者名
      Hamamura, N, J.Meneghin, A-L.Reysenbach
    • 学会等名
      TBI/INL/RCN-YNP Metagenomic Analysis Workshop
    • 発表場所
      Jackson Hole, Wyoming, U.S.A
    • 年月日
      2011-01-15
  • [学会発表] Diversity and functional analysis of bacterial communities associated with soda lake in Khovsgol, Mongolia.2010

    • 著者名/発表者名
      Hamamura, N, T.Itai, Y.Liu, W.P.Inskeep, A-L.Reysenbach
    • 学会等名
      日本微生物生態学会第26回大会
    • 発表場所
      筑波大学、茨城県
    • 年月日
      2010-11-25
  • [学会発表] Comparative meta-transcriptomic analysis of Aquificales-dominant terrestrial hot springs.2010

    • 著者名/発表者名
      Hamamura, N, J.Meneghin, A-L.Reysenbach
    • 学会等名
      The 13^<th> International Symposium in Microbial Ecology
    • 発表場所
      Seattle, Washington, U.S.A.
    • 年月日
      2010-08-26

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公開日: 2012-07-19  

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