研究課題
本研究では、微生物表面を反応場に用いてこそ常温・常圧で調製できる細胞表面上のパラジウムナノ粒子をシード粒子として捉え、このバイオ調製法に種子成長法を融合させた触媒調製法を提案するとともに、この新規調製法を用いて特異的結晶面を優先的に持つ異方性(板状、ロッド状など)パラジウムナノ粒子を担持した固体触媒を開発することであり、以下の通り実施した。1)種子成長法による粒子合成装置を作製し、微生物表面上にバイオ法によって析出させたパラジウム粒子をシード粒子とする異方性パラジウム粒子の合成に成功した。種子成長プロセスにおいて、添加する金属イオン濃度や形態制御剤濃度(臭化カリウムなど)を変化させることで、細胞表面でパラジウムナノ粒子を球状、板状、ロッド状と変化させることが可能となった。2)微生物調製したパラジウムナノ粒子は、SPring-8にて実施したXAFS分析より0価に還元されていることが確認され、初期パラジウムイオン濃度を1-20mol/m^3に変化させることで、粒子径を4-7nmの範囲で制御できることが明らかとなった。3)微生物調製したパラジウムナノ粒子をモバイル電子機器用電源への適応が期待される固体高分子型燃料電池(PEM-FC)の電極触媒に適用した結果、初期パラジウムイオン濃度が10mol/m^3において調製したパラジウムナノ粒子は、市販のパラジウム触媒の約90%の性能を得ることができ、さらにCV測定より市販のパラジウム触媒と同程度の触媒有効表面積を有することが確認された。以上の結果より、バイオ調製法と化学調製法の融合によるパラジウム固体触媒の合成が可能となり、環境低負荷型の固体触媒合成プロセスの新たな展開が示された。
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