• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

道徳判断の正当化において感情が果たす役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21820006
研究機関東京大学

研究代表者

有馬 斉  東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (50516888)

キーワード嫌悪感 / 共感 / 徳倫理 / ケア倫理 / 道徳実在論 / 感情社会学
研究概要

道徳判断を正当化するために感情に訴えることは有効か。本研究の目的はこの問いについて検討することにある。一般のみならず、学界においても、応用倫理の緊迫した諸問題にたいする特定の回答を感情に訴えて正当化しようとする論者が影響力を有してきている現在、本研究課題の遂行には大きな意義があるものと考えられる。本研究では、この目的のため、規範倫理学・メタ倫理学・応用倫理学にまたがって蓄積されている議論をひとまとめにして整理・分類すると同時に、これを実験心理学や生理学の分野における近年の感情研究の知見、またこうした知見に基づいて近年おもにアメリカで展開されてきた感情哲学の概念分析の成果と突き合わせることにより、道徳判断の正当化において感情が果たしうる役割の広がりと限界を検証することを目指した。
本年度も研究実施計画にしたがい、前年度に引き続き、倫理学の領域で言及されることの多い「嫌悪感」や「共感」といった個別の感情について、それを経験することと何らかの道徳判断を下すこととの関係を調べるため、とくに近年の心理学分野における実証研究並びに理論研究の成果を幅広く収集・整理することに努めた。さらに、こうした個別の種類の感情についてだけでなく、感情一般についてその発露を制御するという振る舞いが持つ規範性にかんしても研究を進めた。後者にかんしては、徳倫理やケア倫理における最近の議論を確認するとともに、実証研究分野ではとくに感情社会学における調査研究が持つ含意を分析した。こうした分析から得られた成果の一部は、国内の研究会や学会、また国際学会等で報告した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 道徳用語の外延が曖昧であることは道徳実在論の擁護に役立つか2010

    • 著者名/発表者名
      有馬斉
    • 学会等名
      第63回関西倫理学会大会
    • 発表場所
      南山大学(愛知県)
    • 年月日
      2010-11-07
  • [学会発表] Posthumous Interest and Proxy Decision-Making2010

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Arima
    • 学会等名
      10th World Congress of Bioethics, International Bioethics Association
    • 発表場所
      Suntec Singapore International Convention & Exhibition Centre, Singapore
    • 年月日
      2010-07-30
  • [学会発表] 感情労働と徳2010

    • 著者名/発表者名
      有馬斉
    • 学会等名
      第36回保健医療社会学会大会
    • 発表場所
      山口県立大学(山口県)
    • 年月日
      2010-05-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.arsvi.com/w/ah04.htm

  • [備考]

    • URL

      http://www.cbel.jp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi