2009年度は、研究対象たるグァテマラにおいて、グァテマラ国立サン・カルロス大学農学部のシルベル教授および大学院生十数名とグループを組織し、二一世紀グァテマラの先住民と国家統合に関して、継起的なワークショップを展開し議論を深めた。その成果は、所属する京都大学グローバルCOEプログラムの出版助成を受けて、グァテマラよりシルベル教授と共編にて『先住民農民の親密な社会と資本主義国家統合一二十一世紀グァテマラにおいて「発展」を考えるための試論集』というタイトルにて最終成果(スペイン語)として公刊した。 2010年度は、大阪大学文学部招聘研究員から京都大学文学部GCOE研究員として異動し、グァテマラで得た知見やノウハウを日本の学界へと還元させることへ努力した。おもな研究成果としては、年間計四回を数える国際学会などでの研究成果発表である(英語・スペイン語)。フィリピンでのアジア農村社会学会やメキシコでの「グローバリゼーションと移動労働」をテーマとした国際シンポジウムなどである。また、所属するGCOEでの国際ワークショップでは、会をオーガナイズする諸役割を担い、こうした大きな国際集会を運営することのノウハウを勉強した。また上記グァテマラでのシルベル博士との共編著出版を記念して、「農学部における多文化と多民族諸関係」と題したシンポジウムを組織した。 一方で、GCOE傘下にて「日本における外国人労働者の生活世界と地域社会の変容に関する実証的研究」と題した共同研究班の研究代表を務め、年四回にわたる研究会を組織した。11年度も引き続き敷衍させて12年度末に最終成果出版実現へと努力している。
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