本研究では、アメリカの雑誌The New Republicにおけるヴァージニアウルフの受容を明らかにした。ウルフが投稿した記事(文学批評、社会批評、短編小説)と共にウルフに対するThe New Republic誌に掲載された批評を分析した結果、同誌において矛盾したウルフ像が提示されていたこと、および、当時同誌内に見られたアメリカニズムの揺れを反映させていたことを明らかにできた。また、雑誌に掲載されたウルフのエッセイとの個別の出版状況やテクストの差異を挙げることで、今後のウルフ研究者が依って立つことのできる一次資料を提供した。
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