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2009 年度 実績報告書

ヒトと霊長類のコドモの物を伴った社会的遊びの映像分析と比較による規則の起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21820064
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関帝京科学大学

研究代表者

島田 将喜  帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (10447922)

キーワード遊び / 規則 / 社会的遊び / 対物遊び / 映像分析
研究概要

本研究は、ニホンザル・チンパンジー・ヒトのコドモの野外での物を伴った社会的遊びにおける相互行為を観察し、「規則(に従うこと)の起源」に対する仮説の構築を目的とする。
宮城県金華山に生息する野生ニホンザルのコドモを対象として、物を伴った社会的遊びに関するデータ収集を短期間行った。さらに、これまでに得られたデータを分析した結果、物を伴った社会的遊びでは、価値が低い物が伴われることや、遊びに使用される物に遊びのターゲットとしての価値がメンバー間で共有され、その結果、明確に役割の異なる相互行為が、長時間持続することが示唆された。
またマハレ山塊国立公園に生息する野生チンパンジーを対象として2009年5月から6月にかけて1カ月半、物を伴った社会的遊びに関する調査を実施した。前年度の予備調査からチンパンジーのコドモはニホンザルのコドモと異なり、単独でも対物遊びをすることが多いことが予想されたため、単独で対物遊びをする場合と、社会的に対物遊びをする場合に分けて、データを収集した。単独での対物遊びの場合、遊び方は物体の形状に依存しさまざまなパターンが認められた。一方、社会的遊びの場合には、「木の形のもの」が伴われ、遊びの誘いという利用法が多く、長時間にわたって遊びのターゲットになる場合は、ニホンザルに比べて少ないことが示唆された。
これらの結果から、ある意味でヒトのコドモの物を伴った社会的遊びのありようは、チンパンジー、ニホンザル双方の特徴を併せ持っているといえる。物体の価値とコドモの行動や相互行為との関係は、規則の起源を考える上で重要である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 雑誌名

      インタラクションの接続と境界(昭和堂)

      ページ: 142-163

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 雑誌名

      遊びの人類学ことはじめ:フィールドで出会った<子ども>たち(昭和堂)

      ページ: 21-37

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 雑誌名

      遊びの人類学ことはじめ:フィールドで出会った<子ども>たち(昭和堂)

      ページ: 81-133

  • [雑誌論文] A case study of a one-sided attack by multiple troop members on a non-troop adolescent male and the death in Japanese macaques(Macaca fuscata)2009

    • 著者名/発表者名
      Shimada M, Uno T, Nakagawa N, Fujita S, Izawa K.
    • 雑誌名

      Aggressive Behavior 35

      ページ: 334-341

    • 査読あり
  • [学会発表] Social-Object-Play among wild chimpanzees in Mahale Mountains National Park2009

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      SAGA12 with HOPE
    • 発表場所
      北九州大学
    • 年月日
      20091114-20091115
  • [学会発表] 遊びの行動学的研究をめぐる諸問題~リアリティのありかを求めて~2009

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      遊び工学研究所第6回研究会
    • 発表場所
      バンダイナムコ本社東京都
    • 年月日
      2009-11-26
  • [学会発表] ニホンザルのコドモの遊び ア・ラ・カルト2009

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      日本動物心理学会第69回大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2009-09-25
  • [学会発表] 金華山の野生ニホンザルにおける複数個体によるワカモノオス一個体への一方的攻撃とその死2009

    • 著者名/発表者名
      島田将喜、伊沢紘生、宇野壮春、中川尚史、藤田志歩
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会
    • 発表場所
      中部学院大学
    • 年月日
      2009-07-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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