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2010 年度 実績報告書

ヒトと霊長類のコドモの物を伴った社会的遊びの映像分析と比較による規則の起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21820064
研究機関帝京科学大学

研究代表者

島田 将喜  帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (10447922)

キーワード遊び / 規則 / 社会的遊び / 対物遊び / 映像分析
研究概要

本研究は、ヒトを含む霊長類三種(ニホンザル・チンパンジー・ヒト)のコドモの野外での「物を伴った社会的遊び」において生じる相互行為を観察対象とし、デジタルビデオを利用した微視的な映像分析の手法を用い、多角的な種間比較をすることによって、人類学上未解決の問題の一つである「規則(に従うこと)の起源」に対する仮説の構築を目的とした。
21年度と22年度に合計2カ月余りタンザニアマハレ山塊国立公園で実施したフィールド調査の結果、チンパンジーのコドモはニホンザルのコドモと異なり、単独でも対物遊びをすることが多く、その場合の遊び方は物体の形状に依存し、社会的遊びの場合には、「樹形のもの」が伴われることが多く、遊びの誘いとして利用される場合が多いことが示唆された。チンパンジーのコドモの物を伴った遊び方は、ヒトの子どものそれと類似性が高いようだ。しかし、マハレのチンパンジーのコドモは、二つ以上の物体を組み合わせて遊びに使用することが観察されないことが分かった。マハレのオトナの道具使用行動のレパートリーとして、複数の道具を組み合わせて使用することのないことと関連しているかもしれない。
コドモの遊びにおける物体に対する社会的価値付けが、チンパンジーの方がニホンザルよりも複雑であり、ニホンザルのように一意的に価値が固定することはないようだ。つまりチンパンジーのコドモ同士の遊びの中でも、物体の意味は多義性を持ちうることが示唆される。このような社会的に決定された意味を物体に対して付与し、それに遊びの中で従うことが、「規則」の萌芽的な形態であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 遊びのエソロジカルな研究の論理的正当化2010

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      第29回日本動物行動学会
    • 発表場所
      沖縄県男女共同参画センターてぃるる
    • 年月日
      20101119-21
  • [学会発表] COMPARING PLAY PATTERNS IN JUVENILE JAPANESE MACAQUES AT ARASHIYAMA AND OTHER FIELD SITES IN JAPAN2010

    • 著者名/発表者名
      Shimada Masaki
    • 学会等名
      The 23rd Congress of the International Primatological Society
    • 発表場所
      Kyoto University
    • 年月日
      20100912-20100918
  • [学会発表] Finding a "detour" to study of animal play behavior2010

    • 著者名/発表者名
      Shimada Masaki
    • 学会等名
      THE 15TH BIENNIAL SCIENTIFIC MEETING OF THE INTERNATIONAL SOCIETY FOR COMPARATIVE PSYCHOLOGY
    • 発表場所
      Awaji Yumebutai International Conference Center Awaji Island
    • 年月日
      20100519-20100521
  • [学会発表] サルの遊び2010

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      第40回比較心身症研究会
    • 発表場所
      帝京科学大学千住キャンパス
    • 年月日
      2010-06-04
  • [図書] 文化人類学のレッスン 増補版-フィールドからの出発2011

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 総ページ数
      261-284
    • 出版者
      学陽書房
  • [図書] The Japanese Macaques2010

    • 著者名/発表者名
      Shimada Masaki
    • 総ページ数
      375-385
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2012-07-19  

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