本研究では、インターネットという仮想空間に蓄積されているインターネットミュージアムのWEBコンテンツを基盤とし、セマンテックウェブ技術とAR(拡張現実)技術を応用した展示支援システムを新たに開発した。具体的には、基幹サーバを介し、学芸員側が取捨選択した教育的方向性を持たせたデジタル・コンテンツをネットワークを介して、液晶プロジェクタにより透過型スクリーンに投影し、実物の展示物に透過融合しながら展示を行う。閲覧者は展示コンテンツを自ら操作しながら閲覧することが出来る.本開発システムを用いた評価実験では、近年、国内ミュージアムで落ち込みの目立つ10代~20代の若者を対象に、実証実験を行っている。評価実験で取得したデータを基に、Michael Scrivenが提唱した展示評価基準を用いて本展示支援システムの評価を行った結果、1.引きつける力(Attracting Power)、2.保持する力(Holding power)、5.感情的な力(Affective power)について、被験者に有効に働きかけたことが確認された。
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