江戸時代前・中期を代表する儒学者貝原益軒(1630-1714)の著作と思想の形成過程を明らかにするために、貝原益軒の高弟で彼の著作執筆の手助けをした、竹田春庵(1661-1754)旧蔵の資料群(福岡県立図書館・九州大学附属図書館所蔵「竹田文庫」)のなかに見られる、貝原益軒が竹田春庵に送った書簡1,166通の全解読を目指し、本研究期間中には、九州大学附属図書館所蔵分542通の解読完了を予定していた。その結果、一応すべての書簡の解読原稿を作りおえたものの、やはり難読箇所が多く残ったため、このうち、200通に限定して、難読箇所に精査を加え、若干の頭注を付して『貝原益軒書簡集成(稿)』を作成した。
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