平成21年度は、アメリカのジョージア大学ロースクールのPaul Heald教授、ワシントン大学ロースクールのRobert Gomulkiewicz教授、竹中俊子教授、Mary LaFrance客員教授、Signe Naeve講師、イギリスのロンドン大学クイン・メアリー校法学部のJonathan Griffiths上級講師、J.A.L.Sterling教授、ダーラム大学のMike Adcock講師らの研究協力者と活発な議論や意見交換を行うと共に、著作隣接権の制度設計に関する資料収集しながら、国内の研究協力者と共に日本・欧州・米国の状況等について分析した。特に海外の著名な研究者と学問的交流を深められたことは、とても有意義なものであった。 研究成果の中間報告としては、アメリカの研究協力者との議論や収集した資料を参考にして、録音物について考察・分析を行い、「アメリカ著作権法における職務著作制度の一考察-録音物の著作者は誰か-」という論文にまとめた(企業と法創造6巻3号・2010年3月)。本論文では、アメリカにおいて録音物の著作者の特定はどのように行われているのかという問題に焦点を当てて、録音物と職務著作制度の関係について終了権制度を軸にして論じた。 また、デジタル化時代の視点に基づいたスリーステップ・テストに対する再考察を行うための資料として、ストラスブール大学のChristophe Geiger教授による著名な論文である「情報化社会に対する著作権法の適応におけるスリーステップテストの役割」を翻訳して公表した(知的財産法政策学研究27・28号2010年3月)。
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