本研究は、算数科の教授学習過程における教師の専門性の具体を検討するために、A県A市の小学校教諭46名と中学校数学科教師35名を対象に、児童の認知と授業デザインに焦点を当てた質問紙調査を実施した。その結果、教授スタイルでは、「絵や図を使用して説明する」、「グループごとに話し合いをする」などで校種間で異なり、授業デザインでは、演算方法を小学校教師はルールとして教え、中学校教師は妥当性を検討する授業を展開する点で違いがみられた。児童の誤りを同じように認知しても、校種によって授業デザインが異なることが示唆され、校種間の相違を捉えることができた。
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