1)昨年度調査をした調査対象学生の母校(高等学校)を11月~12月に訪問し、当該学生の出身校の特色(カリキュラム・進路実態・学校文化など)について進路指導担当の教諭等を通じ聞き取り調査を行った。どの高等学校もその学校が持つ校風や地域性もさまざまであり、その一方ですべての調査校がほとんどすべての卒業生が大学に進学する進学校であることを確認した。このことは、経済的要因により進学を断念している生徒の存在を除外して奨学金の効果について分析を行えるという利点がある。 (2)昨年度整理した先行研究や(1)に記された調査対象校の協力をもとに質問紙を作成し、紙面およびWEBによって「高校卒業後4年目における生活と意識に関する調査」を行った。なお、近年の就職事情を考慮して当初の予定より遅らせ、翌年度の進路がほぼ確定をしていると考えられる12月に行った。 (3)本調査と同一学生による調査を行っている先行研究のデータと照合することでパネルデータを作成した。そのうえで当該学生の高校時代の生活と大学時代の生活や価値観の関係やその変化を明らかにした。加えて就職行動と確定進路との関連性を明らかにし、これらの学生の行動・意識に対し、奨学金受給との関連性について分析を行い、検討を行った。 (4)上記の調査とは別に、年度を通じて当該研究に関連する研究・文献の収集および整理をおこなった。特にパネルデータの扱い方や研究方法についての検討を行った。
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