国際バカロレアMYP(中等教育課程)について、国際交流を中心に実践的に研究をした。本年度は本研究の1年目であるが、研究計画に基づき、MYP認定候補校の東京学芸大学附属国際中等教育学校を研究対象校とした。MYPカリキュラムの概略や実施状況、問題点等を同校コーディネーターに聞き取り調査を行った。美術科の授業で継続的に行われている米国ニューヨーク州ベツレヘム中学校との交流授業についてMYPの視点からその意義について調査研究を行った。生徒作品を中心とした交流学習について国際理解の面から実践的に研究を重ねた。本年度は学芸大学附属国際中等教育学校の美術科及び外国語科教諭とともに相手校を訪れ、作品展を行い、効果を把握した。また、相手校の職員会議に参加し今後の交流活動について強固な方向性を示すことができた。美術教育のみならず教科を超えた教科横断的な交流活動に繋げていけるよう多くの教員と交流することができ、MYPの目指す教科を超えた活動のきっかけを改めて作ることができた。 マサチューセッツ州ボストン美術館、ニューヨーク州立博物館、グッゲンハイム美術館の教育担当者に直接面会し、社会教育施設と学校とが連携した教育活動を行う意義について、米国の先進的な例を具体的に聞くことができた。学校外の教育活動はMYPでも重視しており、今回の訪問は多大な成果を得ることとなった。 以上のように1.MYPの内容について基礎的なところを再確認したこと。2.国際交流活動中心とした美術科の活動について調査研究ができたこと。来年度の活動について方向性を示せたこと。3.美術科だけでなく教科横断的な活動に発展できる可能性を示せたこと。4.米国の先進的な美術館博物館教育についてMYPの視点から調査研究をすることできたこと。など多くの成果があった。本研究2年目である平成22年度は成果を発表し社会に貢献したい。
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