研究概要 |
昨年度に引き続き,国際バカロレアMYP(中等課程)美術科について,調査研究をした。本年度は昨年の調査結果をまとめ学会誌に掲載発表した。また活動内容およびその成果と課題について学会で口頭発表し結果を公表し社会に貢献した。 1.東京学芸大学附属国際中等教育学校と米国ニューヨーク州ベツレヘム中央中学校との交流授業活動では,美術科における交流は言語の壁がなくコミュニケーションをとりやすいこと,多文化を理解できることなど多くの効果をアンケート実施により具体的にデータで示すことができた。また,相手校の社会科等他教科等と連携した教育活動の実践研究も行うことができ,教科を超えた学習の可能性を開くことができた。 2.海外における美術館等の社会教育施設と学校が連携した鑑賞教育活動について,調査を続けた。米国では教科を超えた鑑賞活動を実施しており,ニューヨーク州では美術と数学とを関連させた教材を制作しているなどホリスティックな学習につながる面があることがわかった。さらに本年度は英,仏の美術館の鑑賞教育活動について教育担当者に現地で直接会い,調査を行った。ロンドンテイトギャラリーでは学校と美術館との連携の現状について具体的に説明を受けた。また,パリ,ルーヴル美術館では教員向けの鑑賞教育活動に参加し,米国との共通点と相違点について具体的に見ることができた。 3.ロンドン,パリのインターナショナルスクールを訪問しMYP及びディプロマのカリキュラムや授業の活動状況について担当教師及び生徒から話を聞くなどして調査をした。特にワークブックの活用は我が国の美術教育に取り入れることも有意義ではないかと考えられる。これについては横浜国立大学附属鎌倉中学校で調査を続行している。
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